映画「Wall Street Money Never Sleeps ウォール・ストリート」を見た

1987年の「Wall Street ウォール街」の続編。2010年・アメリカ。オリバー・ストーン監督とマイケル・ダグラスは続投。

あらすじ

マイケル・ダグラスは、前作ラストでチャーリー・シーンが暴露したインサイダー取引の罪で、結局8年間投獄されていた。2001年に出所するも、家族の出迎えはなかった。

7年後の2008年。シャイア・ラブーフはマイケル・ダグラスの娘キャリー・マリガンと付き合っている証券マン。キャリーは父マイケルと疎遠になっていた。

ある日、シャイアが勤める証券会社の株が突如急落、恩師だった社長は自殺してしまう。株価急落の原因は、投資銀行を経営するジョシュ・ブローリンがあらぬ噂を流布していたためだと突き止める。

シャイアはジョシュ・ブローリンへの復讐を企み、講演会を開いていたマイケルに接触する。マイケルが8年も投獄されていたのはジョシュ・ブローリンによる証言のせいだったため、マイケルは娘との面会の場を設けることを条件にシャイアに協力する。

シャイアはジョシュの懐に潜り込み、自分が推しているベンチャー企業への投資を中国の顧客に薦めるが、ジョシュによって反故にされてしまう。

そんな中、リーマン・ショックが発生。資金が尽きたシャイアに対し、マイケルは「娘名義でスイスに1億ドルの預金がある」と伝える。シャイアはキャリーを説得し、預金を引き出してマイケルに渡し、資金洗浄を依頼する。

しかし、マイケルは受け取った金を返さず、イギリスで投資会社を設立、再び成り上がっていた。マイケルにも裏切られたと知ったシャイアは、妊娠が発覚したばかりのキャリーにフラれてしまう。

シャイアはマイケルの元に行き、「1億ドルを娘に返せ」「あなたは孫との時間を大切だと思わないのか」と訴えるも、マイケルは取引に応じなかった。

キャリーへの想いが捨てられないシャイアは、キャリーに会いに行く。するとそこにマイケルも現れ、「1億ドルはシャイアが推す企業に投資した」「こんな父親を許してくれないか」と娘に乞う。理解を示した娘は父と和解し、シャイアとも復縁する。

シャイアは、マイケルからの情報提供により、ジョシュ・ブローリンが個人口座で空売りをして市場操作を行い私腹を肥やしていたことを把握。その噂を業界に流すことで復讐を果たした。無事に孫が生まれてハッピーエンド。

感想

2008年の国際金融危機を取り巻く業界を描きたかったのか、親子愛を描きたかったのか、どっちつかずな結末に終わって、率直にいうとつまんなかった。

マイケル・ダグラスの娘と付き合ってるシャイア・ラブーフが証券マン、というところで、何というか出来レース感が…。

キャリー・マリガン演じる娘は、一度は父と和解するも、スイスの預金を持ち逃げされるという大きな裏切りを受ける。しかし「資金洗浄して投資に回したので許してちょ」と言われて、結局父を許す。…って、許せ過ぎでは!?w

途中、前作で主人公を演じたチャーリー・シーンがカメオ出演し、マイケル・ダグラスと会話するシーンがある。「親父さんの航空会社はどうした」と聞くと、「成長させた後に売り払って今じゃ大金持ちだ!」と答えるチャーリー・シーン。前作の熱意はどこ行ったんだよ、という悲しい結末だったw。

オリバー・ストーン監督は資本主義による倫理観の欠如を批判していたのだが、どうも前作の評判が「俺もマイケル・ダグラスみたいなイケイケ金融マンになりたい!」みたいな風潮になってしまったために、今作ではそのへんしっかり釘をさしてる感じ。

それは分かったんだけど、マイケル・ダグラスは冷徹な投資家にもなりきれず、しかし父親としての謝罪は足りていない感じがして、なんとも中途半端だった。

リーマン・ショックに関しては、2015年の「The Big Short マネー・ショート 華麗なる大逆転」も見ておくと予習になるかもしれない。