映画「Tracers アンリミテッド」を見た

2021-09-12。2015年のテイラー・ロートナー主演作。パルクール、フリーランニングが題材になっている映画。

あらすじ

舞台はニューヨーク。テイラー・ロートナーはバイクメッセンジャーで生計を立てていたが、両親はおらず、チャイナタウンのギャングから借金をしていた。なかなか借金が返せず、父の形見のクラシックカーまで借金取りに奪われる始末。そんなテイラーは夜な夜な YouTube でフリーランニングの動画を見ては、フリーランニングに憧れを抱くのだった。

ある日、テイラーは街中でニキ (マリー・アヴゲロプロス) とぶつかり運命の出会いを果たす。彼女はフリーランニングを活用して闇の仕事をこなすグループに所属しており、テイラーは彼女に近付く口実と借金返済の2つの目的で、グループに参加する。

そのグループはニキと、ニキの兄ラフィ・ガヴロンと、あとモブキャラ2人くらい、それから彼らをまとめるリーダーのアダム・レイナーから構成されていた。フリーランニングのスキルを習得し、仲間からの信頼を勝ち取り、徐々にヤバい仕事へと携わるようになっていく。

ニキはリーダーのアダムとデキていたが、テイラーにも心を惹かれていく。兄をかばってくれた恩としてアダムと交際していたが、闇家業を快くは思っておらず、この街から抜け出したいとテイラーに漏らす。

ある日のミッションで銀行に押し入るが、偽の情報を掴まされており収穫なし。さらに警察に追われ仲間のモブキャラが命を落とす。ついに逮捕されてしまうテイラーだったが、取調室に入ってきたのはリーダーのアダムであった。彼の表の顔は刑事で、裏でニキらのチームを操り汚職を繰り返していたのだった。アダムは「自分の情報屋」ということでテイラーを保釈するが、テイラーはアダムへの不信感を募らせるのだった。

次のミッションはギャングから宝石を奪うモノで、テイラーとアダム、それからニキの兄ラフィの3人が中心になって実行することに。しかしアダムは裏切り、ギャングとの銃撃戦の中でテイラーを始末しようとしていた。テイラーは宝石を奪って必死で逃げ延び、テイラーと合流したニキとともにある建物へと逃げ込む。

そこはチャイナタウンのボスが経営するレストラン。アダムは以前チャイナギャングとトラブルを起こしており、二度とチャイナタウンに入ってはならぬと警告を受けていた。その警告を忘れてチャイナタウンに入ってしまったので、アダムはチャイナギャングに島流しの刑に処される。

テイラーは奪った宝石をチャイナギャングのボスに渡す。すると「これで借金は帳消しだ」と言われ、借金取りから父の形見のクラシックカーを返してもらう。テイラーとニキはそのクラシックカーに乗り込み、ニューヨークを去るのだった。

感想

以前深夜テレビで断片的に見た記憶がある映画。「ミッシング ID」もその頃に一挙放送してたのかな。

テイラー・ロートナー主演ということで、ティーン向けの荒唐無稽なアクション・サスペンスに仕上がっている。後から色々明らかにすることでの意外性を狙っているのだろうが、アダムが持ち込むミッションが汚職とどのように繋がっているのか、まともな説明はない。アダムとニキがデキていると明かされてから急にアダムが「俺には君がいないとダメだ、このミッションのあと二人で街を出よう」とか言い出して、どうやって刑事が失踪するつもりなんだろうと思ったり。

だいたいフリーランニングを闇家業に活用しようっていう発想が2001年の「Yamakasi ヤマカシ」から何も変わっていない。テイラー・ロートナーがスタントダブルなしで結構アクションを頑張っているので、アクションシーンはかなり見ごたえがあるが、目新しさはない。本作の前年の2014年に、ポール・ウォーカーとダヴィッド・ベル主演で「Brick Mansions フルスロットル」が公開されているが、その元ネタの「Banlieue 13 アルティメット」(2004年) や「Banlieue 13 Ultimatum アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ」(2009年) は全く知らないようなティーン向けの映画なのだろう。

設定はメチャクチャだが、テイラー・ロートナーのアクションだけ目当てにするのはアリな映画かな。