上司は部下に詳細を説明しすぎようとしない・部下は自分から上司に詳細を求める

あるべき姿としては、上司は部下に、

などを説明し、部下は自身の作業に対して

を求めたいところではある。

だが、人はそう思ったように利口には動いてくれない。


上司としては、部下にみすみす失敗してほしくないので、先んじて色々な注意点を伝えたくなる。「このタスクはこういう経緯でこうなった、だからココには注意して、コレはやらずに、こうやって…」などと。

しかしそうしたおせっかいは、部下にとっては何のこっちゃ分からない。結局部下は腑に落ちない顔をしたまま作業を始め、指摘しておいたとおりのミスを犯す。

でも、それはそういうモノなのだ。人は自分で失敗し、試行錯誤するまで真に理解することはできないモノだ。部下が何を考えているのかなんて分かりっこない。ましてや自分と同じようになどと考えてはくれない。

だから、上司は「やってほしいこと」そのモノだけを伝える。一応経緯を説明しても、その前後関係は伝わらないモノとみなし、「とにかく○○だけやってくれ」と伝えてしまった方が分かりやすいかもしれない。


一方、部下は「まずは余計なアレンジをせず、言われたことを正確にこなす」ことが大事なのだけど、それって実は物凄く難しいことである。「私は正確に上司の指示が理解できています」という人でなければ、正確にこなすことは不可能だからだ。

部下としては、成果物全ての箇所に「自分はこのように理解したので、このように作りました」という「Why」の情報を示せるようにしておくことが大事だ。それによって、上司の指示をどのように理解したかを相手に示すことができる。

そしてこの理解を誤らないためには、上司に「その作業が発生した経緯」「その作業の後に続くタスク」を聞いておく必要がある。「どうしてコレをこのようなやり方で対処しないといけないのでしょうか?」「このタスクは誰の何のためになるのでしょうか?」そういうことを確認しておくことで、「後続タスクのために○○を付け加えておきました」といった工夫が出来るようになるワケである。

上司からの質問には、常に言外に聞きたいことがあると考えよう。「字面どおりに答えるならこうですが、その質問意図ってどういうことでしょうか?」という姿勢を持とう。